刑事弁護の「引き継ぎ」

 大阪で弁護士として相談を受け、刑事弁護を受任していた事件がありました。

 ある日、その事件の依頼者が、大阪から遠く離れた他県の警察により逮捕されました。

 私は、新幹線や在来線を乗り継いで、他県の警察署にある留置施設まで、依頼者に接見をしに行きました。

 その際、私は、これだけ距離が離れると、現実として依頼者からの求めに応じて接見をしたり、刑事手続について説明をしたり、その他、依頼者のために活動することは難しいと考えていました。

 そこで、私は、依頼者に接見した際、依頼者に対し、私が刑事弁護活動を続けるのは難しいこと、他県の地元の弁護士に刑事弁護を依頼した方がよいこと、そのために弁護士会が行っている当番弁護士の制度や、裁判官が指名する国選弁護人の制度を利用した方がいいことについてお話ししました。

 本来なら、私が懇意にしている弁護士を紹介できればよいのですが、私も所属する弁護士事務所も、他県で活動する弁護士にコネがあるわけではありません。

 また、所属する弁護士事務所が他県やその周辺の県に弁護士を配置していたのでもありませんでしたので、その県に配置している弁護士に接見してもらうわけにもいきません。

 そこで、私は、当番弁護士や国選弁護人について案内して、選任をされた弁護士と接見をすることが望ましく、私が長距離移動して接見することは現実的ではないこと等についてお話ししました。

その後、裁判所から、依頼者が国選弁護人の請求をしたとの連絡を受け、私の話が依頼者に通じたことが分かりました。

 また、依頼者の国選弁護人に選任されることになった弁護士からも、その旨連絡を受けました。

 私は、依頼者の刑事弁護を引き継ぐ弁護士がいらっしゃることが分かり、その点にほっとしつつ、弁護人を辞任する手続をするとともに、引き継ぎ先の弁護士に対し、可能な限りで事情の説明をしました。

 今回のようなことは、今後もそうそう経験がないと思いますが、今後何かあったときの覚書きとして、残すことにした次第です。

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