情状証人の尋問について
最近、刑事弁護人として受任した事件の公判で、証人尋問を行いました。
事実関係を争わない事件であり、立証趣旨は情状関係、証人になってもらったのは被告人の父親でした。
情状証人であっても、証人尋問は、刑事裁判において、証人に対し弁護人、検察官及び裁判官が質問をする手続です。
情状証人からは、被告人が反省の態度を示していることや、示談の交渉に証人も協力していること、今後、被告人が同種の再犯に及ばないようにどのようなことをしたか、今後、被告人をどのように監督するか、などといった被告人に有利な事情をできるだけ引き出す必要があります。
一方、情状証人に対し、検察官から、被告人の監督に実効性がないことを根拠づける事情などの被告人に不利な事情について質問を受ける可能性も十分にあります。
そこで、弁護人は、情状証人に対し、事前に、弁護人がどのような質問をして、証人がどのように回答するのか、検察官や裁判官からの質問を予想してどのように答えるのがよいのか、などについて、打ち合わせをする必要があります。
そもそも、情状証人で裁判に出ていただくことは、それだけで被告人には支えてくれる人がいることを示すことであって、十分に意味があることになります。
情状証人が出ないということは、被告人を監督することができる家族や仕事先の関係者が見当たらないということを示すものであり、そのことだけで被告人に不利な事情となりかねません。
他方、情状証人として裁判に出ることは、ただでさえ緊張を強いられる法廷で、検察官や裁判官からの厳しい追及を受ける可能性があり、精神的に厳しいものがあります。
今回の事件では、被告人のご両親に裁判に出ることをお願いしたところ、父親が二つ返事で応じてくださいましたが、別の事件では、被告人のご家族に裁判に出ることを断られたこともありましたし、裁判に出た情状証人から検察官から追及を受けたことについて、泣いて怒られたこともありました。
結局のところ、情状証人については、裁判に出ることを承諾していただくことが、弁護人として最も重要であると考えています。




