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交通違反事件の弁護活動

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 自動車の交通違反事件の公判弁護を受任することになり、現在、被告人となった依頼者さんと打合せをしているところです。

 自動車の交通違反といえば、主に速度違反、無免許運転、酒気帯び運転、無車検・無保険車の運転等が挙げられますが、その際に人身事故を起こさない限りは、被害者に当たる人がいない犯罪ではあります。

 だからといって、弁護人が何も弁護活動をしないかといえばそうではありません。

 自動車の交通違反で公判請求を受ける場合というのは、それ以前にも自動車を運転して交通違反を繰り返し、略式命令を受けていたような場合もままあります。

 ですので、弁護人の立場からすると、被告人が、今後は二度と速度違反や無免許運転のような交通違反を繰り返さないことを、裁判所に対して積極的にアピールすることが必要になります。

 例えば、被告人質問で、被告人に今後は二度と自動車を運転しないことを誓約してもらうこと、被告人が自動車を所有していたらその自動車を業者に買い取ってもらうこと、被告人の家族に証人として出廷してもらい、自動車のエンジンキーを厳重に管理して、被告人に二度と自動車を運転させないことを約束してもらうことなど、今後、被告人が二度と交通違反をしないための実効的な対策を立てていることをアピールする必要があります。

 その反面、被告人自身が、交通違反をしているときに偶然に警察官に見つかっただけで運が悪かった、今後交通違反を起こしてもそれほど警察官には見つからないだろう、周りも交通違反をしているのに自分だけ裁判を受けなければならないのはなぜか、弁護人や検察官、裁判官や警察官に話を合わせてやり過ごしておこうなどと考えていれば、二度と交通違反を起こさないと言っても、被告人の姿勢が疑われるでしょう。

 また、被告人がそのような姿勢だと、弁護人としても、被告人が二度と交通違反を繰り返すことはない、と自信をもってアピールすることができなくなります。

 そこで、私は、打合せの時、依頼者さんに対して、二度と交通違反を起こさないことを真剣に考えてもらうため、そもそも交通ルールが法律で定められている理由について、ご自身の言葉で考えてもらうことにしました。

 依頼者さんに自分の言葉で答えることができるようになってもらえれば、今後は交通ルールを守って交通違反をしないようにしようと、ご自身なりに真剣に考えるようになるだろうし、少なくとも交通違反が警察官に見つかり運が悪かったなどと考えることはなくなるだろうと考えました。

 今後も依頼者さんと打合せを重ね、依頼者さんから二度と交通違反をしないようにすることについて真剣に考えてもらうようにし、弁護人としても、自信をもって、依頼者さんが二度と交通違反を繰り返すことがないことをアピールできるように準備をしたいです。

 大阪で刑事事件について弁護士をお探しの方は、こちらをご覧ください。

犯罪被害者等給付金の制度

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 現在、犯罪被害者等給付金の請求を準備しているところです。

 犯罪によって被害を受けた場合、極端な例だと亡くなられた場合、犯罪被害者やそのご遺族は、本来、加害者から被害弁償を受けるべきものです。

 しかしながら、加害者に財産がないために被害回復が十分にできない場合や、加害者の財産が発見困難であり差し押さえができない場合などがあり、加害者から十分な被害弁償を受けることができない場合があります。

 また、犯罪被害者は治療を受け、仕事を休業するなどして、収入が減る一方で支出が増え、予想外に経済的負担を強いられることになります。

 ご遺族も同様に、亡くなられた犯罪被害者が一家の大黒柱であった場合には、その経済的な損失は甚大なものになります。

 そこで、国が、加害者に成り代わり、犯罪被害者やそのご遺族に対して、一時金を支給する制度として、犯罪被害者等給付金の制度があります。

 犯罪被害者等給付金には、重傷病給付金、障害給付金及び遺族給付金の3種類があります。

 重傷病給付金は、一定以上の重い傷害や疾病を負った犯罪被害者に対し、医療費や休業損害を考慮して算出した額を支給するものです。

 障害給付金は、傷害又は疾病が治った時に障害が残った犯罪被害者に対し、その障害の程度に応じて算出した額を支給するものです。

 遺族給付金は、犯罪被害者のご遺族に対し、犯罪被害者の収入と、その収入によって生計を維持していたご遺族の人数に応じて算出した額を支給するものです。

犯罪被害者等給付金は、犯罪被害者の住所地を管轄する都道府県の公安委員会に申請し、その裁定により支給を受けることになっています。

 例えば、犯罪被害者が大阪府内に住んでいれば大阪府公安委員会(実際の窓口は大阪府警察本部になります。)に申請して、その裁定により支給を受けることになります。

 大阪府の場合、申請から裁定までの期間として、概ね半年程度を要しているようです(以上につき、大阪弁護士会犯罪被害者支援委員会編・犯罪被害者支援マニュアル参照)。

 令和3年度に、全国で犯罪被害者等給付金の支給を受けた犯罪被害者は288人、総額は約10億888万円でした(令和4年版犯罪白書参照)。

 このように、犯罪被害者等給付金の制度は、全国的にもそれほど多くは利用されているとは言い難い制度ではありますが、給付金の支給を受けることにより、犯罪被害者やそのご遺族のご負担が少しでも緩和されるように活用されればと思い、私も請求の準備をしているところです。

ご挨拶

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 この4月から弁護士として勤務しています。

 この3月までは、検察官として大阪や各地の検察庁で勤務していました。

 ですので、刑事事件の手続には、この3月までと逆の、検察官と相対する立場で関わることになります。

 刑事事件の手続では、検察官と弁護人が法廷で対立して火花を散らすようなイメージを持っておられる方も多いと思います。

 実際に、私も検察官として、法廷で、被告人が有罪か無罪かについて、弁護人と互いの主張をぶつけ合ったことが何回もありました。

 もっとも、検察官だった時がいつもそうだったわけではありませんでした。

 被疑者や被告人の弁護人が示談交渉をする際に被害者に示談交渉を勧めたことは何回もありました。

 また、被疑者の弁護人との間で、今後の被疑者の更生のためにどのような処分が適切かを議論したこともありました。

 一方、家族にも被害に遭ったことを話すことができずにいた被害者には、被害者代理人の弁護士をつけてもらい、その弁護士には最後まで被害者に付き添ってもらったこともありました。

 また、性被害に遭った被害者に対して、代理人の弁護士と一緒になって、裁判所で意見を述べることができるように準備したこともありました。

 個人的には、検察官であっても弁護士であっても、基本的人権を保障することをはじめとして、依って立つ刑事手続の基本的な理念や方向性にはそれほどの違いはないのだろうと思います。

 この4月から弁護士として刑事手続に関わることができる立場になりましたが、これからも、検察官と互いに主張をぶつけ合うことだけでなく、被害者に必要な保護を講じることや、被疑者、被告人が再犯を繰り返さないように更生させること等も含んだ、広い意味での刑事手続に携わっていきたいと考えています。

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