保釈請求について
先日、刑事弁護の依頼を受けていた事件に関し、大阪の裁判所に対して、被告人の保釈請求をしました。
保釈は、弁護士が、被告人の身柄を解放するために行うことができる手続の一つであり、勾留中の被告人が、保証金を納めることで身柄拘束を解いてもらうことができるというものです。
弁護人は、裁判所に対し、勾留中の被告人について、法律上、保釈することができない事情がないことのほか、裁判所の裁量によって保釈することが相当であることを理由に挙げて、保釈を請求します。
裁判所は、保釈の請求を受けた後、検察官に対し、被告人について保釈の請求があったことを通知し、意見を求めます。
それに対し、検察官は、被告人を保釈することについて意見を返します。
通常、検察官は、被告人を保釈することについて「不相当」か「相当」、又は「しかるべく」と意見を返します。
「しかるべく」というのは、裁判所の判断に任せるという意味です。
また、検察官は、「不相当」の意見を返す場合には、その理由を明らかにします。
その場合、検察官は、勾留中の被告人には法律上、保釈することができない事情があることや、裁判所の裁量によっても保釈することが相当ではないことを理由に挙げて、保釈をしないように意見することが通常です。
裁判所は、検察官の意見を受けて、保釈を許可するかを決定します。
裁判所が保釈を許可した場合、納める保証金の額も併せて決められます。
保証金の金額は、100万円単位になることが多いです。
また、その場合、被告人の制限住居や面会相手の制限等の条件についても、併せて決められます。
被告人は、保証金が納付されると釈放されます。
一方、保釈が許可されなかった場合には、弁護人は、裁判所に不服を申し立てることができます。
その場合、裁判所が決定した保釈の不許可について、維持すべきか又は取り消して被告人に保釈を許可すべきかどうかについて、より上位にある裁判所が再び判断をすることになります。
その結果、裁判所の判断が覆り、保釈が許可される可能性があります。
まとまった金額の保証金を用意する必要はありますが、被告人の身柄拘束を解く手段として、弁護士による保釈請求はよく利用されています。