刑事事件の弁護士費用特約について
刑事事件やその他の事件について、大阪の事務所でご相談を受けるほか、電話でご相談を受けて弁護活動をする日々を送っています。
その際、自動車で交通事故を起こしたことについてご相談を受けていた方から、弁護士が刑事弁護を受任した後に刑事弁護の費用を支払う際、加入している損害保険の弁護士費用特約を利用し、保険金で支払いたいというお話を受けました。
損害保険に加入しておけば、もし交通事故を起こしてしまった場合に、事故の被害者に支払う損害賠償を、保険でカバーすることができます。
その損害保険に、刑事弁護の費用についてもカバーすることができるという弁護士費用特約があることをよく知らなかったので、インターネットを検索するほか、損害保険を実際に取り扱う損害保険会社に問い合わせるなどして、弁護士費用特約について調べてみることにしました。
調べてみると、確かに、損害保険会社が販売する損害保険には、弁護士費用特約が付されているものがあります。
そして、弁護士費用特約の中には、交通事故によって被保険者がけがをしたり、自身の自動車や家屋等を壊されたりして被害者になった場合に、事故の相手に対して損害賠償請求をするために支出された弁護士費用や、法律相談の費用等を保険金として支払うものがあります。
それだけではなく、交通事故によって被保険者が他人にけが等をさせて加害者になった場合にも、刑事事件の対応を行うために支出された弁護士費用や法律相談の費用等を保険金として支払うという特約のある保険を、少数ですが見つけることができました。
今回のご相談者さんが加入されている損害保険の弁護士費用特約でも、刑事事件の弁護士費用について、保険金として支払いを受けることができそうです。
とはいえ、飲酒運転や無免許運転をして事故を起こした場合や、わざと事故を起こした場合など、弁護士費用特約の適用はなく、刑事弁護の弁護士費用が保険金として支払われない場合もあるようです。
また、そもそも交通事故によって加害者になった場合の特約ですので、その他の罪を犯した場合には、当然ながら弁護士費用の特約はないことになります。
そうすると、刑事弁護の費用を保険金で支払いたいというご相談を受けるのは、交通事故を起こした加害者からの場合にとどまることになるのでしょう。