不起訴処分と起訴猶予について
刑事弁護の依頼を受けていた刑事事件の被疑者が不起訴処分になりました。
不起訴処分になると、検察官から被疑者が不起訴処分になったという内容の告知書を受け取ることができるため、被疑者を担当していた検察官に連絡して、被疑者の不起訴処分の告知書の発行を依頼しました。
すると、数日後、検察官から、検察庁の書式による、不起訴処分告知書が送られ、被疑者が不起訴処分になったことを、書面でも確認することができました。
被疑者が不起訴処分になったことにより、弁護士として依頼を受けた責任を果たすことができたと思っています。
ところで、不起訴処分とは、検察官が行う処分のうち、被疑者を起訴しないという処分を言います。
そして、不起訴処分になる理由の多くは、起訴猶予になります。
起訴猶予というのは、犯罪を認定する事実が明らかな場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により、被疑者を起訴する必要がないと検察官が判断した場合のことを言います。
検察官が起訴猶予にするかどうかについては、そのような被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況等をよく検討して、判断することになります。
検察官が起訴猶予の判断をするに当たって、犯罪後の情況に関する事柄については、被疑者の反省の有無、謝罪や被害回復の努力、又は逃亡や証拠隠滅の行動、環境の変化、社会的制裁の有無、身柄引受人その他の将来被疑者を監督する者や保護者の有無などの、環境調整の可能性の有無のほか、被害弁償の有無や示談の成否、被害感情等が問題となります。
今回の事件では、大阪の事務所から出て被害者と会うなどして示談交渉をして、被害者との間で示談を取りまとめることができましたが、示談の成否は、先ほど述べた事情の中では犯罪後の情況に関係することになります。
今回の事件に限りませんが、被害者がいる犯罪では、被害者との示談は、検察官が起訴猶予するかどうかを判断する際に、重視されるところであり、刑事弁護でも力が入れられているところです。
被害者との示談交渉も含めて、刑事事件の弁護について気になる点がありましたら、お気軽にご相談ください。