お年寄りが不当な契約を結ばされた場合の刑事責任

 残暑厳しいところ、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。  今月も、大阪や京都、神戸にある当事務所の弁護士事務所において、刑事事件のご相談をお受けしました。  ところで、認知症などで判断能力が著しく低下したお年寄りに不当な契約をさせた場合、準詐欺罪(刑法248条)が成立する可能性があります。  また、手口や状況によっては通常の詐欺罪(刑法246条)のほか、特定商取引法違反などが成立することもあります。  まず、準詐欺罪は、被害者の判断能力が不十分な状態に付け込んで、財物を交付させたり財産上不当な利益を得たりする犯罪です。  一方、通常の詐欺罪では、認知症であるかどうかにかかわらず、「全く嘘の事実を伝えて誤認させ、契約・購入させた」場合に成立します。  通常の詐欺罪では、「相手を言葉巧みにだます行為」(欺罔行為といいます)が必要ですが、準詐欺罪では明確な欺罔行為がなくても成立します。  たとえば、被害者の認知症などの状態を「知っていながら、これ幸いと利用して契約させた」時点で罪になります。  罰則は、準詐欺罪でも通常の詐欺罪でも、10年以下の拘禁刑と、重く定められています。  特定商取引法違反は、訪問販売や電話勧誘販売において契約を締結させるために威迫して困惑させる行為(不退去など)や、商品の品質や価格について事実と違うことを告げる行為を処罰するものです。  内容に応じて、拘禁刑や罰金刑の罰則のほか、事業者に対する業務停止命令などが定められています。  もし、身近な高齢者が被害に遭ってしまった、あるいは不審な契約が見つかった場合、弁護士に相談するほか、消費者ホットライン「188(いやや)」や警察の相談専用ダイヤル「#9110」に連絡することや、地域包括支援センターへご相談されることをお勧めします。

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